ここを購入した友人から、時々眺めに来ては写真を撮るのが好きだと聞いた時は、生前から通いたくなる墓なんてあるのかと疑問だったが、実際に来て見てよくわかった。
森林公園駅発の送迎バスで行ける、池を囲む丘陵・森林公園昭和浄苑。その苑内を見下ろす丘にある浄縁墓は、世界的な彫石家が手掛けたという。五感に響く芸術空間は、現代のお浄土か。落ちる掛け水の木琴音、祈りの鐘、そよぐ丘風、夏には石畳に涼やかな水が流れる演出があると。
苑全体にグレード感がある。山水を臨むロケーションと程よきアップダウンは、浄縁墓への道のりをドラマチックにしていた。近代的なお寺とお堂があり、直接管理と供養がされている。永い安心を感じる。価格６０万円に納得。お金は入ってしまえば（お墓に）、もう現世で使うことはないのだから、自分が納得するものに費やして正解と思っている。>>公式サイト　森林公園昭和浄苑浄縁墓

森林公園エリアの自然と田畑の連なる地帯に大谷浄苑はある。運営する寺院本堂へ至る緩やかな勾配の道を上った、園の中心部あたりに倶會一処墓はあった。独立した庭園作りの一角。階段を上がり、参道を歩んで奥へ進む設計は、厳かさに和の品格を湛えていた。
霊園全体は、歩いて疲れない程度に広々とし、外連味なく整っている。
価格は３０万円。管理や供養の行き届き方なども万全の様子。評判なのはよくわかるが、私にとってある種の明るさが足りない感じがした。
>>公式サイト　大谷浄苑永代供養墓　

地域で有名なお寺・見性院。道路に面したオープンな作りのためか、明るい空気感。そこの永代供養墓は仏舎利塔。ゆえに仏教的クラシックスタイル。昨今のシンプルモダンなデザイン系永代供養墓とは真逆なわけだ。仁王様、お地蔵様、卒塔婆、提灯、木々などに囲まれ、花も供えてあるが、案内パンフレット入りポストが２種類も墓前にあるなど、色々と賑やかだ。
スタイル感は感じないが、お寺のお坊さん達が、まめに手を掛け、想いを掛けているのが伝わる。ここに入ったら、寂しさは無さそうだ。
価格は、個別の保管期間により１０～３３万円。安いのでは３万円の仕様もある。あまねく入れるよう、奉仕精神と低コストの工夫で作ったらしいが、その想いを感じた。
>>公式サイト　見性院　埼玉永代供養納骨堂　

ロードサイドに在り、コンパクトなガーデン風の鴻巣霊園。園内、左右シンメトリーにデザインされた中央の奥壁に壁泉永代供養墓はあった。カフェのような管理棟に対座するようにあった。その名の通り、壁から泉が湧く仕掛けのアジアンテイストなデザイン。宗教宗派に関係しない、サッパリとした今風のタイプ。抹香臭さは微塵もない。お墓っぽさも余りない。価格３５万円は程よきところか。
泉の仕掛けは動きや清涼感があって好きだが、もっとスケールがあれば。事前にサイト画像で得たイメージと比べ、霊園全体においても小ささを感じた。>>鴻巣霊園　壁泉永代供養墓

お寺のお堂へ至る石段を上がる。振り返り見下ろし、山里の道を随分と来たものだなと感じた。
お堂隣の一般墓域を抜けた一角に樹木葬おおどりの杜はあった。ここは、巡った霊園中、予想と異なる点が一番多かった。事前のサイト情報や画像から、もっと大きく独立した区画で、もう少し現代的なタッチを想像していた。しかし、これはこれで有り。山の木々を背景に素朴で民話的な趣き。山里奥にひっそり眠る感じだろうか、小さく愛らしい観音様に見守られながら。
価格は２５万円。数が少ないらしく、売り切れていたら４５万円からの家族用を独りでとなるのか。>>樹木葬　おおどりの杜